醫王霊山 温泉寺 一頁
温泉寺(おんせんじ)
下呂温泉は昔、東の方湯ヶ峰の山頂近くに湧いていました。温泉は、万病を治し、下呂の人々はもとより、多くの遠方の人々にも親しまれておりました。ところが文永2年(1265年)温泉の湧出が突然止まってしまい、人々は大変嘆きました。
そして、翌年のこと。毎日益田川の河原に舞い下る一羽の白鷺がいることに村人が気づきました。不思議に思って、その場所に行ってみると、そこには温泉が湧いています。白鷺は、村人にその地を教えると空高く舞い上がり、中根山の中腹の松にとまりました。村人がその松の下に行ってみると、光輝く薬師如来が鎮座していたそうです。白鷺は、薬師如来の化身で、村人達に再び温泉を授けたと言い伝えられています。
温泉寺には、この薬師如来がまつられており、下呂の街と温泉を見守っています。
下呂温泉の発見=延喜年間(901~923)
温泉寺建立=寛文11年(1671)
醫王霊山 温泉寺(いおうれいざん おんせんじ)
宗派 / 臨済宗妙心寺派
御本尊 / 薬師如来
建立 / 寛文11年(西暦1671年)
- 中部四十九薬師霊場 第三十七番札所
- 下呂温泉周遊七福神 寿老人
寺名碑・山門前石段
山門まで真っ直ぐに伸びる173段の石段。
駐車場が境内の裏手(山手)と階段の中腹あたりにありますので、石段の上り下りが不安な方はそちらを利用させて頂きましょう。
石段の左手に「湯薬師霊山 温泉寺」の寺名碑。
その後ろに「子守り地蔵尊」。
子守り地蔵尊
昔、飛騨川の氾濫で濁流に飲まれ亡くなったお婆さんと幼い子どもの菩提を弔うために、村人達が建立したと伝わっています。
山門
石段を上り切りました。
山門に山号の「醫王霊山」の扁額が掛けられています。
山門のすぐ脇にとても素敵な「ご参拝案内」が置かれていました。
鐘楼
山門の隣に鐘楼。
石段173段は伊達ではない景色。
七福神(寿老人)
山門の真正面、これは書庫の玄関でしょうか。
下呂温泉周遊七福神の寿老人が祀られています。
手水舎
右手、本堂の方へ進むと手水舎。
周囲には五重石塔や室町時代の禅僧、歌人の万里集九の詩文碑などがあります。
本堂
本堂の正面。
左手に湯掛薬師、右手に旧飛騨屋邸地蔵堂。
湯掛薬師
湯薬師如来尊像の下からは霊湯が湧き出しています。
「下呂の源泉を痛い部分にかけてお参り下さい。」
史跡 旧飛騨屋邸地蔵堂
史跡~旧飛騨屋邸地蔵堂(文政4年)
飛騨屋は元禄期より北海道にて松前藩のもとアイヌやロシアと交易し、北前船などで材木や魚介類を本州に輸送した江戸時代の大財閥。
この檜皮葺の地蔵堂は、飛騨屋久兵衛4代目益郷が下呂本店屋敷内に約200年前に建立したもので、現存する唯一の遺構。
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